中原の虹
今日アマゾンをちらちらと見ていたら、新刊に「中原の虹」という小説が出てまして。浅田次郎さんです。
浅田次郎さん好きなので、ほほう、どんな話なんですか、と検索してみたら、なんと、あの「蒼穹の昴」の続編だっていうじゃないですか!
蒼穹の昴、ご存知ですか?去年文庫になったりして、またちょっと流行った感じもあります。私は、中国に出張に行くときに、知人に勧められて、なぜかそのとき読まずにその後のアメリカ出張のときに読んだのですが、もう最高です。
読んでない方に、ざっくりいうと、清朝末期の中国の話なのです。2人の主人公がいて、王朝が滅びていくという大きな時代の渦に巻き込まれながら、それぞれの生をまっとうしていく、という話です。
主人公の話も、ひたむきさといたわりと、すごくいいのですが、僕が好きなのは、列強に浸食されていく中国で、ただひとり、政治的にも軍事的にも戦った、李鴻章の物語です。いくつかエピソードがあるのですが、その中でも一番好きなのが、香港をイギリスに借款する時の外交っぷりです。香港って99年借款で、1997年に中国に返還されたじゃないですか。これが、李鴻章の外国のマスコミも利用した鮮やかな外交術によって、領地割譲が必至の状況下で、未来の中国のために、99年、という時限をつけることに成功したあたりの話が、とてもかっこよくていいのです。史実はどうだったかよくわからないのですが、李鴻章の人となりも、とても魅力的に書かれています。
この話、西太后の描き方もすごく個性的で、面白いです。まだ読んでない方、中原の虹に向けて、ぜひ読んでおいた方がいいですね!
- 作者: 浅田次郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/09/25
- メディア: 単行本
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