前にこのブログのエントリーで、「かもめ食堂」がえらくよかった、というのを書きました。
同じ監督で同じスタッフで、「めがね」という映画を撮って、公開していた、というのは知っていたのですが、行く機会がなかったのです。Amazonのレビューとか見てると、「かもめ」が良かった人は絶対イイ!と書かれていたので、この度DVDを買ってみてみました。
私、手元においておきたい作品は、買うことがしばしばあります。今回は、「かもめ」からの期待票として、予約して買ってしまいました。

めがね(3枚組) [DVD]

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えー、結論から申しますと、やっぱり「かもめ」の方が、一枚も二枚も上、と見ました。原作の内容の濃さでしょうか。
で、見てから色々考えていたのですが、今回は、脚本も監督も、荻上さんがやられているので、(「かもめ」は、群よう子さんの原作がありました)本当に荻上さんがやりたかったのは、「めがね」の方だったのかもしれません。確かに、「めがね」の中に見られる、都会での暮らしに疲れた人物、都会の暮らしでいろいろくっついたものが落ちて行く、本当はそんなもの必要ないんですよ、みたいなモチーフは、「かもめ」の中にも色々出てきました。ただ、なぜか「かもめ」の方がポジティブに見えるのは、多分、フィンランドという土地で、日本のレストランが受け入れられて行く過程に、私が引きつけられていたのかもしれません。自然体だけど芯の強い意志で、だんだんとだんだんと異国の地で受け入れられていく主人公の姿に、感銘したのですね。金髪の現地の人が、焼じゃけを食べるシーンとか、フィクションだと分かっていても、日本人として、なにか感じるものがあるのです。
でも、荻上監督がやりたかったのは、そこじゃないのかもしれません。
そういった意味では、「めがね」の方が、純度が高いのかも。私は、「かもめ」の違うところに反応していたのかもな。
ただ、出てくる食べ物はどちらの映画もいちいち美味しそうでした。もたいまさこさんが煮るアズキ。美味しそうだったなあ。